2016年11月21日月曜日

漢方薬は食前または空腹時に飲む理由

薬局では食後では吸収が悪くなるから、と説明されることが多い。

しかし説明としては不十分である。
理由はある成分は吸収率が上がり、ある成分は逆に下がるが正しい。

胃の中は胃酸により常に酸性である。
食後は食べ物が入ることで酸性度は和らぐ。

漢方薬の成分のうち、アルカロイドといわれるものがある。
麻黄のエフェドリンや附子のアコニチンなんかが該当する。
アルカロイドはその名の通り塩基性を示すため、食後の酸性度が落ちた状態では
普段より吸収率が上がってしまう。吸収率上がるならいいじゃん、と思うかもしれないが
アルカロイドは少量でも強力な作用があるため血圧上昇や胃部不快感といった
副作用リスクが上がってしまうのだ。

その一方で有機酸というものがある。
甘草のグリチルリチン酸や当帰や川きゅうのフェルラ酸なんかが該当する。
有機酸は酸性なので酸性度が落ちた状態では吸収率が下がる。
食後では十分に吸収されなくなってしまい薬効が損なわれる。

以上よりアルカロイドは吸収率が上がり、有機酸は吸収率が落ちることで
薬効が損なわれるかつ副作用リスクが上がる、というのが正しい理由だ。

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