2016年11月21日月曜日

特定支出控除の話、スーツ代は必要経費にできないのか?

過去の判例においてスーツ代は私用と事業用の区別が困難であり、
必要経費とはできない、旨の結果が出ている。
そのため長年スーツ代は必要経費にはできないとされてきた。

しかしサラリーマンの特定支出控除が設定され、所得の一定額以上の
大きな支出については控除対象となったことから
スーツ代についても再検討する価値がありそうである。

問題なのはサラリーマンの特定支出控除の基準額が大きすぎるということ。
年収から定められる給与所得控除の2分の1を超えた額について、となっている。

年収500万だった場合、154万円。比率としては30.8%。
年収800万だった場合、200万円。比率としては25%。
年収1000万だった場合、220万円。比率としては22%。

年収が上がるにつれ比率が下がっている。つまり高年収者である方が
控除を受けやすいという、逆進的控除ともいえよう。

もっともいずれの年収であっても比率としては非常に高いもので、
それだけの支出を特定のものに行うのには無理があるのも事実。

特定支出控除の対象となる支出は以下の通り。

1. 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2. 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3. 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4. 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。

5. 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6. 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

スーツ代については6.の(2)に該当するがよほど高いスーツを何着も購入しないと
基準額に到達するのは難しい。単身赴任していて研修を受けつつ、資格取得を計画しているような
各号を複合してようやく到達するのではないか。

ちなみに私の場合、どうやっても基準額に到達しようがない。

話は個人事業主のところに戻るが、個人事業主であれば個人事業の労働比率、給与所得者としての労働比率を
合理的に算出することで、個人事業主の必要経費としてスーツ代を計上することが可能ではないだろうか。
サラリーマンの部分でのスーツ代は特定支出控除の基準に達しない場合、給与所得控除で控除されたと
みなされるのだが個人事業主の労働においてもスーツは必要であり、その部分は必要経費としたいところだ。
週5日で給与所得者、残り週2日で個人事業主として活動している場合、7分の2という比率が妥当といえる。

スーツ代だけでなくワイシャツ代、革靴代、腕時計代なんかも同等ではないだろうか。

ただし税務署に否認されても本ブログでは責任を持たないのであしからず。

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