2016年11月21日月曜日

なぜ商社銘柄は割安なのか?

食糧不足や資源不足が現実味を帯びてきた現代、これらを取り扱っているのは
大手総合商社が中心であるが、大手総合商社は他の業種に比べ割安なのが特徴だ。

株高で大きく株価が上がる銘柄が多い中、地味な動きを見せているのが大手商社株。
三井物産、三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、丸紅といった誰もが知る銘柄が、
投資指標からみるとかなり割安な状態で放置されている。
なぜ、この大手商社銘柄に資金がなかなか向かわないのか?

商社は「ミネラルウオーター」から「人工衛星」まで何でも扱う会社である。
産業の川上から川下まで抑え、その事業に積極的に関わり、
あらゆる段階で利益を上げる。
しかし、どうしても商社につきまとうのは、「資源株」という見方である。

仲介ビジネスでの収益が期待できなくなった商社は資源分野(石炭、鉄鉱石、石油、LNG、LPGなど)
への投資を積極化した。石油価格の上昇などを受け、商社もその恩恵を少なからず受けたが、
後に待っていたのが「石油などの資源価格に左右されるのではないか」という見方である。
商社株に懸念を抱く投資家の多くはその懸念の方が強いため割安なようだ。
また、資源はほりつくしてしまえば終わりなので長期的な安定性が乏しいという見方もある。

これらの投資家の懸念は会社も理解しており、資源分野だけではなく
非資源分野への投資を積極化していて、電力や水道といった社会インフラ整備を始め、
通信関連、原材料や部品などの流通・加工、物流ネットワークの構築にまで及び、
さらには自動車やマンションの企画販売、食品加工、コンビニエンスストア、金融など
消費者との接点まで持つようになっている。
大手商社各社が、これだけ非資源分野への投資にこだわる理由の1つは、
資源分野における商品市況に業績が左右されるのを避けるためだ。

ROEは株主資本利益率で、当期純利益を株主資本で割った割合を表す。
数値が大きければ「資本が有効活用されている」ということを意味するが、
毎年の利益が同じであれば、分母である株主資本は大きくなるので、ROEは年々下がる。
この状況を避けるため(ROEを維持または向上させるため)に取りうる手段が株主への返還、
つまり株主配当や自社株買いを行うのだ。

まさに社会の総合商社や!ということでやはり現時点では買いだと思う。

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